STDとは「Sexually Transmitted Disease」の略で、性行為によって感染する病気のことを言います。
普段の生活の中でうっかり感染しないよう、ちゃんとした知識を持つことが大切です。
ここではそれらの代表的な病気についてまとめました。
カンジダ
カビの一種であるカンジダ菌が原因で起こる病気で、発症者は女性が多く見受けられます。しかしカンジダ菌は誰もが体内に持っており、性行為がなくとも疲労や体調不良などで著しく抵抗力が落ちたときなどに発症します。
ですが、他のSTDと同様に感染者との性行為によっても感染する可能性があります。
一般的な症状として外陰部が炎症起こしたり、かゆみを感じるようになる、またおりものもヨーグルト状のものや、ポロポロとした
カスのような状態になります。
クラミジア
女性が感染すると、ほとんど自覚症状がありません。しかし放置すると卵管炎を併発し、不妊症や子宮外妊娠になり、最悪の場合早産や流産を引き起こす恐れがあります。
感染者は主に10代後半~20代の若い人たちに多く見られます。日本ではクラミジアの感染者が一番多く、性行為だけでなく母子感染の可能性もあるので注意が必要です。
また、クラミジアに感染しているとHIV感染率が3~4倍になるという統計が出ています。もしクラミジアに感染していたなら、HIV検査も受けましょう。
毛ジラミ
吸血性昆虫でシラミの一種である毛ジラミが、陰毛に寄生することで発症します。毛ジラミは肉眼で確認でき、感染すると我慢できないほどの激しいかゆみが生じます。
主に感染するのは性行為による陰毛どうしの接触ですが、タオルや下着などで間接的に感染してしまうこともあります。また毛ジラミは毛穴に卵を産むため、わき毛や胸毛など、陰毛以外の場所にも感染します。
トリコモナス
トリコモナスという目に見えないほど小さい原虫が、性器に入り込むことで感染します。 感染するとおりものから悪臭がするようになり、色も乳白色や濁った緑色などに変化します。
当然性器自体にも炎症を起こすため、かゆみは排尿痛などの症状が出ます。 放置すると、子宮頚管や尿道などに感染し、不妊症の原因になります。最悪の場合、早産や流産の可能性もあります。
梅毒
性行為だけでなく、日常生活でも切り傷などから菌が入り、感染する可能性があります。初期症状は性器に無痛のしこりができるなどですが、進行すると全身に症状が広がり、やがては死に至ります。
一昔前は不治の病として恐れられた病気ですが、現在は初期段階での治療法が確立されています。
感染が特に多いとされているのはアナルセックスです。母子感染の可能性もありますが、妊婦検査が行われるようになった現在では滅
多にありません。
性器ヘルペス
性行為や、それに準ずる行為によりヘルペスウィルスが感染することでおこります。初めて感染した場合、性器に水疱のようなものができてただれた状態になり、激しい痛みを伴います。早期治療を受ければ、1~2週間ほどで症状は治まります。
ですが一度感染してしまうとヘルペスウィルスを死滅させることはできません。疲労や体調不良などで抵抗力が落ちたときなどに、再発する可能性が残ってしまいます。
HIV
ヒト免疫不完全ウィルス―HIVに感染してしまうことによりおこります。感染経路として性行為や、感染者の体液との粘膜接触、傷口から血液が体内に入るなどがあります。
HIVに感染しても、症状が出るまでの時間は人によってさまざまです。一般的には10年ほどとも言われていますが、発症することによって初めてエイズと呼ばれます。
発症すると免疫力が著しく低下するため、軽い風邪でも重病化するなどし、やがて最後は死に至ります。現在もまだ治療方法は確立されておらす、HIVの潜伏期間を薬で可能な限り長くするなどの方法が取られています。